ある製品において、使用中の性能のばらつきと局所的な異常が確認され、原因と安全上のリスクについて技術調査のご依頼をいただきました。
提供された資料や関連する技術情報をもとに、製品の構造、使用材料、使用環境、経年変化などの観点から、不具合に至る可能性のあるメカニズムを整理しました。検討にあたっては、確認できた事実と技術的な推定を分け、現時点で判断できることと、現物調査などによる追加確認が必要な事項を明確にしました。
調査結果は技術見解書として取りまとめ、関係者との協議や今後の対応方針、安全性を含むリスク判断に活用できる技術的な根拠を提供しました。
市場で使用されている製品に不具合が発生し、原因究明と再発防止の検討を行いました。
まず、回収品の状態を確認するとともに、不具合の発生状況を地域、季節、生産工場、生産ロットなどの観点から整理し、発生に偏りがないかを分析しました。また、市場での発生時期や使用期間のデータについてワイブル解析などを用いて傾向を確認し、想定される故障メカニズムを絞り込みました。
さらに、推定した原因について再現試験を行い、故障に至る条件やメカニズムを確認しました。その結果をもとに設計要件や評価方法を見直し、必要に応じて開発目標や試験条件の再設定を行うことで、対策品で同様の不具合が再発しないための仕組みにつなげました。
こうした市場不具合への対応に関連して、2020年には自動車技術会において「過失事故への積極的対応を目的とした修正R-MAPの提案」をテーマに学術講演を行っています。
製品の設計変更にあたり、変更によって新たな不具合が生じないよう、DRBFMを用いたデザインレビューを実施しました。
変更した部品や仕様だけを見るのではなく、その変更によって周辺部品、荷重、温度、振動、製造条件、使用環境などにどのような変化が生じるかを整理しました。そのうえで、製品に求められる機能や要求特性への影響を確認し、想定される故障モードとその発生メカニズムを検討しました。
抽出した心配点については、設計で対策すべき事項、評価試験で確認すべき事項、生産工程で管理すべき事項に分けて整理し、開発関係者との議論に反映しました。
変更点・変化点を起点として関係者が具体的な心配点を共有することで、問題が市場で顕在化する前に設計・評価・生産の各段階で対応できるよう支援しました。
製品の強度・耐久性を評価するにあたり、実際の使用環境に対してどの程度の試験条件を設定すればよいかという課題がありました。
そこで、製品に加わる荷重、温度、振動、使用頻度、使用期間などの市場環境を整理し、製品が市場で受ける負荷を定量的に評価しました。その結果をもとに、必要な強度・耐久性の開発目標と試験条件を設定しました。
長期間の使用によって進行する劣化については、故障メカニズムが実使用と変わらないことを確認しながら、温度や荷重などを高めた加速試験を設定し、限られた開発期間の中で耐久性を評価しました。
試験で強度や耐久性が不足した場合には、破損部位や応力状態、材料特性などから故障メカニズムを分析し、形状や材料、荷重伝達などの観点から対策を検討しました。また、一つの部品が故障した場合でも直ちに重大な事故につながらないよう、冗長性や安全側の壊れ方も考慮して設計に反映しました。